殺人カメラ



「せんせ?」

病室のドアが開く。

「ちぇっ…やっぱ助かったんだ」

「あなたはっ…」

「彼」だった。

「刑事さん信じてた?」

「なっなんの事?」

「僕の事バレてない?」

喋り方が少し幼い。

「あなたがやったの?」

「うぅん…あれ僕のお母さん」


「何か僕を殺そうとするから自殺に見せかけて殺した」


「えっ…?」

「でもガラスの中に入れてるガス止めて逃げて来たよ、もう死んでると思ったし」

「…ねぇ……」

「ん?なぁに?」

「彼」はニコニコして聞く。

「あなたが…あの火事を起こしたの…?」

少し声が震えた。

「火事ィ?あぁ…違うよ…あれお母さんがやったの」

「お父さんがもう会わない、俺には家族がいるんだって言ったんだって~それでお母さん怒って殺しちゃったみたい」

「じゃあ…」

「もぉ~質問多いよっ…どうせあの子たちでしょ?」

呆れたようにワザとらしくため息をつく。

「勿論、僕が殺したよぉ?」

「なんでっ……」

「だって美里に酷い事したもん!当たり前だよ」

そして「彼」は泣き顔になった。

「実はもう時間切れなんだ…」

「どういう事?」

「もう僕は行かなきゃなんないの」

「彼」はせわしなく辺りを気にする。

「どこにっ…」

いくら美里の姿をしていようとも殺人鬼を逃がしてはならない。
携帯で櫻井刑事に電話しようとする。

「お母さんのとこ」

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