元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
よく考えるといつもそうであるような気がした。
彼に己の未熟さを気付かされる時は多い気がする。
悔しい気もするし、自分を情けなくも思うが、仕方なかった。
あたしはそれからも彼の仕事の手伝いをした。
その度に、彼の手際の良さ、見通しの良さに驚かされた。
どの先生も、皆こんな人ばかりなのだろうか?
そうこうしているうちに、段々と職員室の人口も増え、用事がある生徒の姿もチラチラ見えてきた。
「滝沢、それあとどれくらいで終わりそう?」
「もう出来ますよ…
はい。」
あたしは彼に手渡した。
「ありがとう。」
彼がその手でプリントを受け取った。
少しだが、彼の指があたしの指に触れた。