執事と共に雪遊びを。
「それじゃ、またね」

「お嬢様、最後に一つ」


立ち去ろうとする恵理夜を珍しく春樹が引きとめた。


「どうしたの」

「残りの謎ですが」

「……もうすぐ解けるわ」


そう言って、恵理夜は、病室を出て行った。


机の上には、恵理夜がメモ用紙で折ったアヤメの花がある。

――春樹は、その花びらに現れていた番号の部屋へと向かった。
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