執事と共に雪遊びを。
不思議な現象を体験した患者から看護士、看護士から別の患者、そしてまた看護士……。

そのループを繰り返し伝言ゲームのように内容が変化していけば、ただの不思議な出来事が恐ろしい怪談話へと姿を変える、というのも何ら不思議なことではない。


春樹は、先日の老婦人から改めて話を聞き、別の病室の患者にも話を聞いた。


聞けば、主に花を手に入れていたのは、見舞いの少ない老人や子供ばかりだった。

そして、窓ガラスに書かれた文字を一つ一つ聞いていった。


『早く、良くなってね』

『手術お疲れ様、がんばったね』

『辛いときは叫んでいいんだよ』

『その素敵な笑顔を忘れないで』
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