執事と共に雪遊びを。
「そして、最後にこの花です」


春樹は、丁寧に舗装された一輪の花を差し出した。

今朝、春樹の病室の窓の外に置かれていたものだ。


「この花は、夜ではなく、あらかじめ置かれていたものです」

「どういうこと?」

「花の出現は、日の当たりやすい棟から始まっている、とお嬢様は仰いましたね」

「ええ」

「そして、一週間前、雪の降った次の日から現れた、と」

「その通りよ」
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