執事と共に雪遊びを。
「花は、あらかじめブロックの上に置かれ、隠されていたのです。そして、花を隠していたものが朝になって消えて、あたかも花が現れたかのように思われたのです」

「花が、隠されていた?何に?」



「雪です」



「雪?」

「はい。前日のうちから、雪の下に花を隠しておいて、翌朝、日の光によって雪が溶けて、花が現れたのです」


春樹は、自分の病室に花が現れたとき、タクミの作った雪だるまが消失していることにいち早く気づいたのだ。
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