執事と共に雪遊びを。
「これなら、日が当たる病棟から花が現れたこと、ラップ音が聞こえるとどこかで花が現れるということ、の辻褄が合います」

「雪解けの音が、聞こえたら、どこかで雪が溶けて、花が現れると」

「そうです。実際、雪から守るようにこの花は厳重に包まれていましたから」


恵理夜はにっこりと微笑み、春樹もホッと息をついた。


「花、ラップ音、文字、444号室の呪い……これで一通り解けたわね」

「444号室の呪いが無ければ、怪談話にもならなかったでしょうし、もっと早く解決したでしょうね」

「ラップ音も、怪談という先入観が無ければすぐに解けたでしょうね」

「噂話とは怖いものです」」
< 139 / 156 >

この作品をシェア

pagetop