執事と共に雪遊びを。
かすかな寂寥感が胸を突く。


「……これは、」


紙袋の中に、折り紙の花が一輪入っていた。

折り紙は、恵理夜の十八番だ。


「ガーベラ。花言葉は……」


希望――恵理夜の祈りだろうか。


春樹の口元には、はっきりと笑みが浮かんだ。
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