執事と共に雪遊びを。
陶磁器のように白い横顔に、真っ黒な髪が掛かっていた。

形の良い眉に、鮮血色の唇。

瞳が閉ざされたその横顔は、ひどく無防備だった。

青年は、その顔を覆う髪をそっとどけた。


「ん……。起きたの、春樹」


春樹と呼ばれた青年は、手を引きながら頷いた。
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