執事と共に雪遊びを。
「上手ね」


恵理夜の言葉に、目線は合わせないものの、少年はやっと照れたように笑った。


「あげる」


一番最後に出来た雪だるまを恵理夜の手に乗せた。

両手に収まる、素朴な顔の可愛らしい雪だるま。

少年は、そのまま反対方向に走り去ってしまった。


恵理夜はくすりと笑うとその雪だるまを首にかけたマフラーで隠し、来た道を走り出した。
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