執事と共に雪遊びを。
入院してからというもの、読書をするか眠るか、という怠惰な生活を送っていた。

怠惰というより、それしか出来なかったのだ。

恵理夜との日常に一日も早く戻りたかった。


「無いものねだり、だな……」


無ければ、それを望んでしまう。

そんな思いに、春樹は奥歯を噛み締めた。
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