左目のマスカット味
…あっ、メール返信しなきゃ。
でも、めんどくさいから電話しちゃおっ。
アドレス帳の「1ーA」の中にある吏彩の名前から電話した。
プルルルル、という機械音が4回くらいしたあと、それは途切れた。
『もしもし、アメちゃん?』
いつもと変わらない吏彩の声が聞こえた。
「あっ、ごめんね。 今大丈夫?」
『大丈夫! てかメール見た?』
「見た見た! 空いてるから遊ぼっ」
『んじゃあ、待ち合わせはいつも通りな!』
「うん。 で、どこ行く?」
『…吏彩、水着買いたい!!』
水着…。
そういや、もう7月だ。
「うんいいよ。…場所は、いつも通りでいいんじゃない?あっこ安いしさ」
『せやなっ! じゃあ誰か誘っとくわ!』
「…おっけい。んじゃ、また明日ね」
『おう! ばいばいきーん♪』
いつかの懐かしいアニメのセリフで電話を切る吏彩…。