キミと恋の途中
少し進むとテーブルの上に1枚の置手紙があった。
『テレビをつけて♪』
母さんの字だろ。妙に丸字。
しょうがねぇ。つけてみるか。
リモコンを手に取りTVをつけた。
ウィーン・・・
なんだ?この音?
パッと画面がついた。
「えーっと。」
コホンと咳払いが聞こえる。
画面には母さんと信汰さんの姿。
「優には言ってなかったんだけど。母さんたち渡米することになりましたっ!!」
はっ・・・?
「悪いな。優。実は日本を旅立つ日が丁度優の誕生日でな。なかなか言いにくくて・・・こんな形になってすまない。」
画面のなかの信汰さんが頭を下げた。
「優には学校があるだろ。それに日本を離れたくないんだと思うんだよ。」
んー。確かにそうだけど。いくらなんでも急すぎるだろ...
しかもTVって・・・。
「3年間の長期出張でな。優は英語が得意じゃないし、行きにくいだろ?」
英語は苦手です・・。
「安心しろ。俺は優にとっておきのサプライズを用意したから。」
サプライズ・・・?いや、いりませんから。
「これで、寂しくはないと思うぞ。・・・ただ、手なずけるのに時間はかかると思うが。」
何をしようとしてるんだ?
手なずける・・・・?ペットか?
「届くのは8月ぐらいだと思う。それまで他で寂しさ紛らわししておけよー!」
「「じゃぁ」」
ブチッ
突然画面が消えた。