空へ
始めは、穏やかに聞いていた二人だったが、次第に二人の雰囲気は凍りついていった。
そりゃぁね、『彼氏が死んだ』なんて話をしたら、誰だって凍りつくよね…。
ただ、なんか違和感があった。晴貴がバスの運転手になったってことを話したぐらいから、場の雰囲気が凍りついたような…。
「なぁ、たまちゃん。彼氏の名前、何て言ったっけ?」
ヨッシーの彼氏は、急にそんな質問をしてきた。
「え?晴貴だけど…」
「ちゃう。上の名前や」
ヨッシーの彼氏は、今まで温厚そうな顔では全く想像出来ない、鋭い眼光で私を睨んだ。
「え?なに?」
訳が分からず、彼氏に圧倒される。
「上の名前はッ!」
ヨッシーの彼氏は、追い討ちをかけるように、そう怒鳴った。
「お、大宮…大宮晴貴だけど…」
「大宮晴貴ッ!」
ヨッシーの彼氏は、大声でそう怒鳴ると、テーブルをバンッと両手で叩いた。
「きゃッ!何!?」
私の質問は聞こえないのか無視したのか、ヨッシーの彼氏はそのまま店を出て行った。
「え?何?」
訳がわからずヨッシーに聞く。
ヨッシーは、しばらく下を見つめたまま、重い口調で語った。
「…昔ね、吉倉陽菜っていう友達がいたの。私の昔からの親友であり、努君…私の彼氏の昔の彼女だった。その子とね、私と努君と、もう一人の友達と4人で、ディ○ニーに旅行に行っていたの。その帰りに…その帰りにバスに乗ったんだけど、バスがトラックと衝突して、陽菜は…陽菜は、死んじゃって、そのバスの運転手の名前が…」
まさか…ウソだよッ!
やめてッ!
ヤダッ!!
ヨッシーと友達になれたのに!
心許せる友達なのに!
…あの事故で、晴貴以外の人が死んだなんて話、聞いたことなんてないよ!
何かの間違いだ。
じゃなきゃ、じゃなきゃ、晴貴は人殺しってことじゃないッ!!
「たまちゃん…」
ヨッシーが何か話かけてくれたが、私はもう何も聞くことが出来なかった。
そりゃぁね、『彼氏が死んだ』なんて話をしたら、誰だって凍りつくよね…。
ただ、なんか違和感があった。晴貴がバスの運転手になったってことを話したぐらいから、場の雰囲気が凍りついたような…。
「なぁ、たまちゃん。彼氏の名前、何て言ったっけ?」
ヨッシーの彼氏は、急にそんな質問をしてきた。
「え?晴貴だけど…」
「ちゃう。上の名前や」
ヨッシーの彼氏は、今まで温厚そうな顔では全く想像出来ない、鋭い眼光で私を睨んだ。
「え?なに?」
訳が分からず、彼氏に圧倒される。
「上の名前はッ!」
ヨッシーの彼氏は、追い討ちをかけるように、そう怒鳴った。
「お、大宮…大宮晴貴だけど…」
「大宮晴貴ッ!」
ヨッシーの彼氏は、大声でそう怒鳴ると、テーブルをバンッと両手で叩いた。
「きゃッ!何!?」
私の質問は聞こえないのか無視したのか、ヨッシーの彼氏はそのまま店を出て行った。
「え?何?」
訳がわからずヨッシーに聞く。
ヨッシーは、しばらく下を見つめたまま、重い口調で語った。
「…昔ね、吉倉陽菜っていう友達がいたの。私の昔からの親友であり、努君…私の彼氏の昔の彼女だった。その子とね、私と努君と、もう一人の友達と4人で、ディ○ニーに旅行に行っていたの。その帰りに…その帰りにバスに乗ったんだけど、バスがトラックと衝突して、陽菜は…陽菜は、死んじゃって、そのバスの運転手の名前が…」
まさか…ウソだよッ!
やめてッ!
ヤダッ!!
ヨッシーと友達になれたのに!
心許せる友達なのに!
…あの事故で、晴貴以外の人が死んだなんて話、聞いたことなんてないよ!
何かの間違いだ。
じゃなきゃ、じゃなきゃ、晴貴は人殺しってことじゃないッ!!
「たまちゃん…」
ヨッシーが何か話かけてくれたが、私はもう何も聞くことが出来なかった。