空へ
どうやって喫茶店を出たかなんて覚えていない。

気がつくと、私は夜道を歩いていた。

薄暗い街灯が、自分の心の光りのような気がして、ふと立ち止まる。

私はあの事故で、彼氏だけじゃなく、友達までも失った。

あの朝、なんで晴貴を止めなかったんだろう
…晴貴も、ヨッシーの親友も、死ぬことなかったのにッ!!

「うぅ…あぁ…あああぁ!!」

私は、周りに誰もいない静かな住宅街で、思いっきり泣いた。



< 54 / 100 >

この作品をシェア

pagetop