裏生徒会部


少し狭いけど、そこに座って背を後ろにある本棚にあずける。


「静音先輩、ご飯は?」

「へ?」

「俺とご飯を食べるために来たんですよね?」

「うん」

「なのに、何も持ってないじゃないですか」


そう言われ、両手を見る。

手ぶらだ。

忘れてた。

今日はお弁当じゃなく、パンにしようと途中で購買で買うつもりだったのに。

私のバカ…。


「う……忘れた…もういいや……」

「お腹空かないんですか?」

「大丈夫!空かな」


い。

と言おうとした瞬間に、タイミングが良のか悪いのか、私のお腹が鳴いた。

口を手で押さえ、笑う悠くん。

恥ずかしい。恥ずかしすぎる。


「静音先輩、面白いですよね。俺のあげますよ。部活帰りに食べようと買ってたんで」


悠くんの鞄から取り出されたのは定番の焼きそばパン。

月桜の焼きそばパンは美味しすぎると評判。

それに、人気があってすぐに売り切れてしまう。

だから一度は食べてみたいと思っていた。


「えと……いただきます…」

「どうぞ」


一口、口に入れる。

……美味しい。美味しすぎる。

焼きそばは美味しいのは勿論だけど、パンも美味しい。

ふっくらもちもち……


「はふっ…!?」


頬を急に突かれて驚いた。

< 315 / 739 >

この作品をシェア

pagetop