裏生徒会部


時間は過ぎていき、本番の13時。

そっと顔を覗かせると、たくさんの一般人や生徒などが集まっていた。

凌久が用意していた椅子に目を向ける。

まだ来てないか。

俺の出番は最後だし…まぁいいけど。

凌久達はステージの上で歌い、踊り、パフォーマンスをしていた。

会場も盛り上がっている。


「さて…誰が一番人気があるのかしら」

「どういうことだ?」

「このライブが終わったら会場を出る時にアンケートを書いてもらうの。で、誰が一番人気があるのかを図るわ」

「へぇ」

「あ。一ノ瀬くんも入れてるから」

「…は?」

「あの5人の誰か1人でも抜いたら真面目に転校を考えてもらおうかしら♪」


絶対ないから大丈夫だな、それは。

30分くらい経ち、俺も出番。

ステージの上にあるピアノまで行く。

……いない、のか。


「じゃ、ラスト1曲いくぜーっ!」


凌久の合図で弾き始めた。

いないけど…ちゃんと気持ちを込めて。丁寧に。

途中からでもいいから来て欲しい…なんて。

俺らしくもないことを考えて。

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