裏生徒会部


私が不思議に思っていることがわかったのか、仁は笑う。


「大丈夫。多分、央も奏十も気づいてないから気にすんな」

「どうして仁はわかったの?」

「袖。妙な濡れ方してたからな」


そんなところを見られていたとは…

仁の観察力は半端ない。


「それで?何かあったのか?」

「それは…その……」

「…ま、言いたくないならいいけどな。お前が大丈夫ならそれでいい」


仁は置かれていたお煎餅を咥え、お茶を注ぎ始める。

恋愛相談は何度も受けてきたけど、いざ自分が相談する側になると、なんだか気恥ずかしい。

まさか自分が相談する側になるとは思いもしなかった。

相談するとして、なんて言えばいいの?

それより、何を相談するの?

告白の仕方…とか……?

待って。待って。今まで皆は私になんて言って相談していたっけ。

考えれば考える程、わからなくなってきた。


「おーい、静音。ほら、お茶」

「えっ、あ、あぁ…ありがとう」


仁の淹れてくれたお茶を一口飲んで、言葉を探す。



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