君がいれば・・・②

何も考えない努力

シンは携帯をソファーに放り投げた。


ユナの方に意志は伝えた。


あとは爺さんだけ。


もうパクの名前は要らない。



セナの身体を壊してまで苦労をかけさせたくない。



シンは寝室に行くとぐっすり眠っている瀬奈の隣に横になった。



******



瀬奈はふと隣に体温を感じて目を覚ました。



目の前にシンがこちらを向いて眠っていた。



相変わらず男前で、だけど肌は綺麗。



睫毛も羨ましくなる位長く、鼻筋はきりっと通っている。



形の良い唇に思わず手を伸ばしたくなる。



実際、瀬奈はそうしていた。



指でシンの唇の輪郭をなぞっているとシンが目を開け、瀬奈の指を捕まえる。



そして手の甲に唇を落とす。



「シン……」



瀬奈が戸惑う瞳で見る。



「少し元気になったみたいだね」



腕を伸ばして自分の方へ抱き寄せる。



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