Secret*Luv...


部屋を出て、
階段を降りると

リビングへ繋がるドアの前に
聡が立っていた。


「...っ」


今聡の顔みたら、
泣きそう...。


階段の真ん中で
立ち止まっていると

聡は階段を昇ってきた。

「...何で、着替えてんの?」
静かな、低い声で
そうあたしに尋ねた。

でも罪悪感と怖さで、
何も言えなかった。

すると聡は
核心をついてきた。

「恭夜のとこ、行くの?」

泣きそうな顔した聡を見て
あたしは堪えられなくなって

涙を流した。


「泣くくらいなら、
行くな...っ」


聡に強く抱きしめられて
少し迷った。

だけどあたしは、
行かなくちゃいけない。





「ごめんね」





その言葉だけを残して
あたしは階段を駆け降りた。



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