K・M ~カイとミワの恋物語~
「カイちょっといい?」
「…なに?」
姉から、1人呼び出された。
「あんたにずっと言いたかったことがあるの」
いきなりそう言われた。
「……」
「わたしあんたがいなかったらあのままダメになってたと思う。だけどあんたの気遣いが…わたしを立ち直らせた」
そして姉は皮肉なほどの笑顔で言った。
「ありがとね」
抱きしめられた、姉の腕の中。
「………っ」
俺は泣きそうになるのと、嬉しい気持ちと、まだ別れたくない気持ちと、
『好き』だという気持ちを、
黙ってじっとこらえていた…。
車に乗って走り出した姉を俺は体力が尽きるまで追いかけた。
だって、好きな人に最後あんなことされたら、
諦めきれないじゃん。