K・M ~カイとミワの恋物語~
文化祭~後編~
「…それからねーちゃんのこと忘れたくて、行き当たりばったりで女の子ナンパしたりやけになって女子にフェロモン撒き散らしたりしたんだよな…」
だから『彼女ハンター』の異名があるんだけど…。
女子のみんな、思いを踏みにじるようなことしてごめんね。
でも今は姉のことを振り切って新しい恋できたし、まあ結果オーライだよな。
「…ってミワちゃん待たせてたんや!」
アイスコーヒーを持って俺はミワちゃんのところへ走った。
「遅かったですね、何してたんですか?」
「それがさー、初恋のこと思い出してて…ミワちゃん聞く?」
「……!!!??…は、初恋!!?」
「どないしたん、そんなあわてて」
「…!なんでもないです…あ、その遠藤くんの初恋の話、聞きたいです……」
「じゃー聞かせたるー!俺の初恋の相手なー……」
初恋の話、笑って話せるようになった。
前に一歩進めた、ってことかな。
午後のカフェ。
アイスコーヒーの氷が静かに音を立てていた。