教室のすみっこ

気付かなかった

まあそんなこんなで教室!

ガタッ

「はぁ・・・・・・・」

「おいーまだ彼女欲しい言ってんのかー?」

啓太は俺の後ろの席だ。

「当たり前じゃん。彼女欲しいじゃん」

「はっはっはー。じゃ、あそこらへんで手うっとけ」

啓太の指さすほうは教室の後ろのほう。ふっと目を移すと一人の女の子がしゃがんで本を読んでいる。

「え・・・・・」

あれ・・・・・だれ?

「啓太・・・・あれだれ?」

「は・・・・はあああああ!?」

啓太は俺の肩をガシッと掴んでさけぶ。

「お前・・・・貞子のことしらねえの!!?」

「貞子って・・・・」

なんか超ベタすぎないか?

クラスの中にはだいたい地味な奴がいる。

で、まぁ髪の長い女子にはそういう名前をつけるだろう。

ベタだな・・・・。

「あいつこのクラスにいたか?」

「お前・・・珍しいな。お前がそんな事言うなんて」

「うん・・・・・・」

俺は人の名前や顔を覚えるのは苦手じゃない。いや、むしろ得意だ。

そんな俺がなぜ通称貞子のことを覚えてなかったんだろう。

てか、覚えてなかったというか・・・・見たことなかったとゆうか・・・。

「うーん・・・・・」

「お前なー」

「けどさ、あーゆうのってだいたい顔をちゃんと見れば美人ってパターンじゃねーか?」

「・・・・・・」

「あぁッそんな冷たい目で俺を見るな!俺はガラスのハートなんだ!」

「あーはいはい。君はガラスのハートだな」

「・・・・むー」

「まぁまぁ。で、あそこらへんで手をうっとけって!」

「やー・・・・でもとりあえず・・・顔見てみねぇ?」

「まじかよ!本当に見るのか?」

「おぉ」

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