毒舌最強少女の日常
次に目を開けたら
目の前にはトシの姿をしたトシ……紛らわしいな。
とにかく、元に戻ったらしい。
……、呆気なさすぎないか?
「……、戻ったな」
トシも同じ気持ちらしく、自分の顔をペタペタと触っている。
そして、ニヤリと笑って
「さて、と」
「―――…は?」
目の前には端正な顔。
鼻と鼻がくっつきそうだ。
近い。
「な、なんだ」
「さっき俺は言ったな。『元に戻ったら覚えとけ』ってな」
「あぁ、言ったな。だけどそれがどうかした、っ――!?」
いきなり、口付けをされる。
「ち、ちょっ…!っ、待て」
「無理だな」
「、っ」
啄むように、噛みつくように、
何度も繰り返されるそれに、唇の感覚を奪われる。
漸くそれが終わって
「――ほら、その表情だよ」
「……は、あ?」
「口付けの後の顔だ。それで見上げられたら…って言っただろ?その表情、好きなんだよな」
だから
やっぱり触れるなら、俺の身体で、お前の身体に触れたい。
そう言って、トシはまた私に顔を近づけてきた。
*********
(つーわけで、今日は俺の気が済むまで口付けの刑な)
(っはぁ!?)
(覚えとけ、っつったろ)
(――――っ)
【END】