【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下
しかし、入口に目をやると、見たこともない、息を切らし、汗で髪を濡らした、皆川会長がそこにいた。
「あれ、アッキー先輩は、お手伝いさんが迎えに来るって、言ってたけど、直接お迎えだなんて、ははー」
皆川会長は息を切らしたまま、洞窟に入ってきたかと思うと、私と、寝ている春風の頭蓋骨を、がし、と掴んだ。
この状況でも起きない春風。そうか、ここで私達はジ・エンドか、なんて思ってたのだけど。
皆川会長はそのまま、ぐい、と私達を自分へ引き寄せてまるごと抱き締めた。
会長のことだから、壁にでも頭を叩きつけて怒ると思って腹をくくったが、意外すぎる行動に、少し慌てる。
「か、かいちょ……?」
「バカヤロー!心配かけさせやがって!こっちはたまったもんじゃねぇっつうの……糞が」
あ……心配、かけちまったな、マジで。浮かれていた少し前までの自分を、今ならぶん殴ってでも止めれる。それくらいの後悔が押し寄せるんだ。
「……ごめん、なさい」
皆川会長の独特のいい香りと、それに混じった初めてかぐ汗の匂いに安堵して、なんか、妙に素直に謝ってしまった。
「あれ、アッキー先輩は、お手伝いさんが迎えに来るって、言ってたけど、直接お迎えだなんて、ははー」
皆川会長は息を切らしたまま、洞窟に入ってきたかと思うと、私と、寝ている春風の頭蓋骨を、がし、と掴んだ。
この状況でも起きない春風。そうか、ここで私達はジ・エンドか、なんて思ってたのだけど。
皆川会長はそのまま、ぐい、と私達を自分へ引き寄せてまるごと抱き締めた。
会長のことだから、壁にでも頭を叩きつけて怒ると思って腹をくくったが、意外すぎる行動に、少し慌てる。
「か、かいちょ……?」
「バカヤロー!心配かけさせやがって!こっちはたまったもんじゃねぇっつうの……糞が」
あ……心配、かけちまったな、マジで。浮かれていた少し前までの自分を、今ならぶん殴ってでも止めれる。それくらいの後悔が押し寄せるんだ。
「……ごめん、なさい」
皆川会長の独特のいい香りと、それに混じった初めてかぐ汗の匂いに安堵して、なんか、妙に素直に謝ってしまった。