不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「なぁ、花音。花音に幼なじみとして話があるんだけど」
「えっ?」
何故か『幼なじみ』という部分を強調する智也。
「話があるなら今ここでしろよ」
「花音と話をする時も、彼氏のアンタに許可取らないといけないわけ?」
「ハァ?誰がそんなこと言ったんだよ」
「じゃあ、花音貸してよ?」
なんか、すっごくヤバい雰囲気。
「ちょっ……――、二人とも……落ち着いて?」
「花音に触んじゃねぇよ」
流星は智也の手をあたしの手首から振り払うと、ドスのきいた低い声でそう言った。
食堂内は一気に険悪モード。
周りには、大勢のギャラリーが集まって大騒ぎしている。
その時、ギャラリーをかき分けてどこかに走っていくアミの後ろ姿が見えた。
「流星も智也も喧嘩しないで!!仲良くしようよ!ねっ?」
二人の間に割って入ろうとしても、流星はあたしの肩を掴んだまま離そうとしない。