不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
放課後。


「あっ……――、とも……――」


智也はあたしが話しかける間もなく、教室を出ていった。


今日の昼休みから智也はあたしを明らかに避けている。


目も合わせようとしないし、声をかけるチャンスすらくれない。



「ハァ……」


頼みの綱であるアミは、今頃ケント君と手を繋いで歩いているに違いない。


何一つ自分で解決できないなんて。


情けなくなって大きな溜息を吐いた時。


「……――花音」


あたしを呼ぶ、低くてかすれた声がした。


< 198 / 503 >

この作品をシェア

pagetop