不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「今日はごめんね?せっかく誘ってくれたのに」


流星との初デートだったのに、全て台無しにしちゃったよ……。


家の前まで送ってもらって小さく頭を下げると、流星は眉間に皺を寄せた。


「つーか、何でもっと早く言わなかったんだよ」


「へっ?」


「腹が痛いなら痛いって言えばいいだろ。何であんなになるまで黙ってんだよ」


「だって……せっかくの放課後デートだし、場の雰囲気を悪くするのも嫌だから……」


「俺はお前が苦しんでる方がよっぽど嫌なんだけど」


「流星……」


「俺に気なんて遣うんじゃねぇよ」


流星はあたしの頭をガシガシと撫でる。


その手の平は、大きくて温かい。


< 220 / 503 >

この作品をシェア

pagetop