不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
間近で早川君と言葉を交わして見つめられて、指先が触れ合って。
智也にとってはただそれだけのことかもしれないけど、あたしにとってはすごくすごく幸せなことだったの。
それなのに……そんな言い方ってひどいよ。
智也だって、あたしがずっと前から早川君のことが好きだって……知ってるのに。
「ちょっと、智也。いくら頭にきてるからって、それってただの八つ当たりだよ?」
「アミには関係ないだろ」
「まったくもう……。花音、智也の言うことなんて気にすることないよ」
「うん……」
アミが励ましてくれたのがせめてもの救い。
いつもは優しい智也がどうしてこんなにも意地悪なことを言うのか、あたしにはサッパリ分からなかった。