不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「……――早川、待て!!今日こそ許さんぞ!!」
職員室の中から聞こえる怒鳴り声とドタバタとうるさい足音。
「……――ついてこい」
早川君はチッと舌打ちすると、あたしの腕をギュッと掴んだ。
「……へっ?えっ?ちょっ……――!!」
「いいから黙って俺についてこい」
低い声でそう言うと、早川君はあたしの腕を掴んだまま勢いよく走りだした。
「ハァ……ハァ……」
早川君、あたし……息が出来ないよ。
走ってるからじゃない。
息が止まりそうなほど、心臓がおかしな音を立てて鳴り続けてるから。
どうしよう。
掴まれている部分が熱くなってしびれちゃいそう。
あたしはそのまま早川君に腕を引かれて、走り続けた。