不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「は、早川君……?どうして……――」
連れてこられたのは、校舎の隅にある空き教室。
ずっと使われていなかったからか、部屋の中はホコリっぽい。
「ねぇ、早川く……――」
「ちょっと黙れ」
全速力で走ってゼェゼェと肩で息をするあたしの口を塞ぐと、早川君は教卓の下にあたしの体を押し込んだ。
そのすぐ後、ガラっという音と同時に空き教室の扉が開いた。
「……クソっ。あいつ……一体どこにいったんだ……」
さっきまで職員室で声を荒げていた先生は、ブツブツと不満げに呟いている。
だけど、あたしの意識は口元に当てられている早川君の手に集中していた。