不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「まぁ結局、流星は最初から退学になる気なんてなかったんだよ」


ケント君は柔らかい笑みを浮かべながらそう言った。


「花音ちゃんを残して、退学になるわけにはいかないしね。花音ちゃんは、流星のすっげぇ大事な彼女だから」


「ケント君……」


「あいつ、ずっと花音ちゃんのことす……――」


「えっ?」


「あっ、わりぃ。次、移動教室だから。じゃあ、また放課後!!」


流星がずっとあたしのこと「す」……?



その続きを言い掛けて、ケント君は教室から飛び出していった。


「ケント、何言おうとしてたんだろうね?もしかして好きだったって言おうとしたのかね?」


アミは首を傾げながらポツリと呟く。


「ま、まさか!!」


あたしはブンブンと首を横に振って否定した。

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