不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
放課後になり、あたしとアミとケント君は、誰もいない教室でそわそわとその時を待っていた。
「……流星、退学になんねぇといいけど」
「ホントだね。だけど、美尋って子が今更自分の非を認めるとは思えないな」
「でも、流星は何にも悪いことしてねぇし。すげぇ悔しいよな」
唇を噛み締めるケント君の横で、あたしはただ黙って二人の会話に耳を傾けていた。
流星が今日まで裏で動いていたことは分かった。
だけど、それで退学をまぬがれるかは分からない。
美尋ちゃんが『あれは全部ウソでした』なんて言うとも考えられないし。
「……――ハァ……」
盛大な溜息をついた時、ガラガラっという音を立てて、教室の扉が開いた。