不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「うわぁ……。混んでるね……」
「だな」
いつも大盛況の食堂に足を踏み入れる。
食券を買うのにも、相当時間がかかりそう。
ちょっぴりうんざりしていると、あるテーブルに視線が釘付けになった。
「……――あっ……」
足が地面にくっついたまま動かせない。
心臓がトクンッと小さな音を立てた。
「花音?急にどうしたんだよ」
流星だ……。
食堂の入口のすぐ近くのテーブルにいた流星。
その周りを囲むように座る派手な男の子達。
腕を組んでテーブルに視線を落としている流星は、あたしに気付く様子もない。
どうしよう……。
どんな顔して会えばいいんだろ。
鼓動が高まって、流星から目が離せない。
「おい、こんなとこに立ってたら邪魔になるだろ」
すると、智也はあたしの腕を掴んでグイッと引っ張った。