ボクらのツバサ
高谷の事情を知っている俺は、ただただ苦笑いしか出来なかった。
浅月はと言うと…
「後で、沙耶に何かおごって貰わなきゃ!」
と意気込んでいた。
そんな話を浅月としていたら、いつの間にか、校庭の方からフォークダンスの曲が流れ始めてきた…
「…後夜祭、始まったみたいだね」
「…だな」
彼女がニコッと微笑みながら俺の方を向く。
「そー言えばさ…。話し……前に戻るんだけど…」
遠慮がちに話しかけてくる彼女に「…ん?」と軽く返事をする。
「勘違いとはいえ、何で私が久瀬の事好きだって思った時、あんなに怒ったの…?」
「……えっ?!」