涙人


「今更放り出すなんて無理だ。それに、俺との約束…覚えてるだろ?」


ぱっ、と雫から目をそらす。


あたしは、雫の瞳が苦手だ。


何もかも見透かされそうで。


「…わかってるから。もうどいて…」

「…約束は、絶対に守る」


その時。


ふっ、と気配が消えた。


「雫…?」


部屋の中を見渡してみても、雫の姿はどこにもない。


雫はただ者じゃない。


あたしの勘がそう訴えかけていた。


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