涙人


昼は大体あたしの家にいて、たまにふらっとどこかへ出かけに行く。


どこに行くの?と聞いても、ちょっとな、と言っていつも誤魔化される。


本当に……謎。


その時、ドアが開く音がした。


「麗… 起きてるか?」


聞こえてきたのは… 雫の声。


あたしは寝たふりをして、雫の声に耳を澄ませる。


「寝てるのか……」


雫があたしの髪をそっと撫でる。


雫の事は何とも思ってないのに、こんなに胸が高鳴るのは何故だろう?


あたしのドキドキが雫に伝わってそうで、余計にドキドキする。


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