涙人


「………麗…」


低く、甘い余韻を残した雫の囁く声。


ふいに。


あたしの唇に柔らかい物が触れた。


驚いて目を開くと、そこには雫の顔。


一気に顔が熱くなるのがわかった。


…息が苦しい。


ぐっ、と目を閉じてこらえると、ようやく雫の唇が離れた。


そのままあたしの頬に触れ、雫は静かに部屋を出て行き、ドアが閉まる音が聞こえる。


ドアが閉まるのを確認した後、あたしは勢い良く起き上がり、しばらく呆然としていた。


「…………は……?」


まだ頬が熱い。


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