涙人
「…………やっべ…」
麗の家の外に出た俺は、壁に寄りかかり座っていた。
……あれは反則だろ…
俯き、声を震わせて謝る麗の姿。
ヤバかった…
思わず、いろんな事を口走ってしまいそうなくらい。
“可愛げがないんじゃなくて… むしろ…”
自分が言いそうになった言葉を思い出す。
「…っ…可愛い…んだよ…」
…………けどダメだ。
再び気を引き締め、俺は“いつもの俺”に戻る。
タブーは絶対に犯さない。
そう心に強く決めて。