ペテン師の恋
私は貢いでくれるお客さんはたくさんいる。





瑞希は朱一だけだし、いくら一人で頑張っても私に敵うわけない。





それが瑞希にもわかるのだろう。





現に今日だって私のほうが売り上げは上だった。





「あんたが、ケンカ売ったのよ?私にケンカ売ったらどうなるか教えてあげる」





私は瑞希を嘲笑うように見て言うと、アフターもあるため、バッグを持ち、その場から立ち去った。





瑞希は、青い顔をして私とは一切、目を合わせることはなかった。





私にケンカ売れるのは、対等になった人だけだ。派手な客一人付けただけの女が調子に乗るのは許せない。





そういう女は、中身も安っぽい。このクラブには、そんな安っぽい女が働いていたらいけないんだ。





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