ペテン師の恋
虚しい…







こんなに、素直に感情がをぶつけるのははじめてなのに、どうして伝わらないのだろう。







どうして上手くいかないの?







疑似恋愛なら、簡単にクリアできるのに、何も現実にはいかせることができない。







私は、飾っていなければ、ただの無力な女なのかな。







「じゃあ、約束して?今日が最後だなんて言わないって…次、会う約束が欲しい」








少しの沈黙、私は、しっかり朱一を見つめて答えを待った。







数分後、ようやく決意したのか、朱一は私を見てうなずいた。








「わかった。約束しよう」







私は、朱一の左手を握り、小指を絡めた。








「約束ね」







私は、涙をながしながらも、笑顔を見せた。精一杯、大切な人を安心させたい。







笑顔には、人を安心させる作用があるときいたことあるから。







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