Desire kiss
「ココ姉、遅れちゃうよぉー」
美羽の急かす声が聞こえて、考えていた事を頭をぶんぶんと横に振って打ち消す。
「ありがとう!ごめんね、美羽」
私は美羽にお礼を言うと、かばんを持って、呑気な弟たちを前に押し進めながら宿題の存在を思い出していた。
時間が早く行けを告げているので、とりあえず家を出ようと用意する。
「いってきまーす!」
いってらっしゃい、とお父さんと美羽の声がして、携帯の時計を気にした。
うわぁ…結構やばいぞー。
急いで、零の家へダッシュした。とは言っても、すぐ近くだけど。
マッハで足を動かす。
春には咲いていた桜並木。
零と緑と勝と、一緒に毎年「綺麗だねー」って言ってたっけ…なんてぼんやりしながら思っていた。
小さいころから当たり前の存在。
周りのみんなからはいつでも一緒だねと優しい目で見られたことも度々あった。…今となっては思い出。
いつから、あんな、仲に…。
「毎日疲れるなあー」
蒼い空を見上げながら、数秒フリーズして、学校の存在を思い出す。
ヒィ、遅刻なんてことになったら命がない!