【完】TEARS−ティアーズ−
「何だよ、それ」
「郁ってさ、マネの事ちょっとでも好きだった?」
好き、だなんて思ったことなんてない。
そもそも好きって感情がよくわかんねぇし。
首を傾げる俺に正宗は
「郁君って酷い男ね!」
なんてオカマみたいな事をする。
「沢木、ちゃんと話し合った方がいいんじゃね?
マネって美人でプライドも高そうだし、このままほっとくとある事ない事言われるかもよ?」
「あー……、もういいわ。面倒臭いし」
「おいおい~」
だって、向こうから別れるって言ったんだし。
宮坂も周りに別れたって言ってんだろ?
今更話って何の話をするんだ?
別に何て言われたっていいよ。
ただ、俺はもう女と付き合うとか、そんなのはいらねー。
面倒臭いだけじゃん。