春は来ないと、彼が言った。
落ちそうになり慌てて恢のシャツの裾を掴むと、何故か恢が急停止した。
その拍子で恢の背中に鼻が直撃した。
い、痛いっ…!
…もう!!
急発進したり急停止したりして、なんなの!?
「椛……お前、バカ?」
怒りたいのはわたしなのに……なんで恢が怒ってるの!?
ぎろりと冷たい瞳で睨み付けられ、わたしは思わず身体を硬くした。
反論しようと試みるも、口ごもって失敗。
……こ、怖い。