春は来ないと、彼が言った。
それから回した腕に力を込めて、今だけは…と願うように恢の腰に抱きつく。
恢の背中はじんわりと熱かった。
…たぶん、わたしも同じくらい熱い。
「(…………すき、)」
あんなに冷たくされた後なのに。
今日はなんだかいつも以上に不思議で、いつも通り優しくて。
恢がよくわからない。
わたしのこと、まだ友達だと思ってくれてる?
まだ、嫌いにはなってない?
心の中で何度も問いかけたけど、もちろん返事はなかった。