春は来ないと、彼が言った。


「…綺麗な桜、見せてやりたかったんだけどな。ほんと俺、要領悪いっつーか…。椛が荷台座るときも配慮できなかったし。あー、くそ……かっこわりー…」



手の甲で口を覆い、恢はきつく眉根を寄せた。

頬は少し赤い。

自己嫌悪でぐるぐるしているのが嫌でもわかった。





……そんな顔、しないでよ。

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