春は来ないと、彼が言った。
なんでわかったの。
エスパーなの?
それくらいすごい反射神経で、恢はわたしの腕を掴んだ。
やだ、やだ、振られたくない…!
振られたらもう好きでいられなくなっちゃう。
その権利さえ、なくなっちゃう。
「は、離してっ!!」
「なんでだよ!!」
「き…聞きたくないもん!か、恢がわたしのこと好きじゃないのわかってるし…!!だ、だからもういいの!離して!!」
いくら腕を振り回そうとしても、恢がしっかり掴んでいてびくともしない。