春は来ないと、彼が言った。


「ぅ、やっ…!」



さっきとは比べ物にならないくらい、ダイレクトに声が脳に響く。


身体中の骨がなくなってぐにゃぐにゃになるんじゃないかと思うくらい、効果は絶大だ。


現にわたしはどこにも力が入らなくて、形だけ睦くんの胸を押し返している。



「椛ちゃんってほんと可愛い。もったいないよね、恢には」

「えっ…?」



そろそろ本気で生命の危機を感じていると、背後に人の気配があった。


こんな場面を見られたら、女子全員から袋叩きに合っちゃう…!!





さぁっと顔が青褪め、


びくりと肩を震わせた瞬間、




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