シュガー × シュガー
「あ、はいっ…」
気を取られつつ、
もたつきながらそれらを手渡した。
「はい、平岡さんね。今度から待つときは助手席に座ってればいいから♪」
「はい…わかりました」
なるほど。
西野先生は運転席にまわり、
あたしもそそくさと助手席に座った。
「珍しいね、女の子でマニュアル」
「あはは。なんかオートマ限定って嫌で…」
「へぇ~、負けず嫌いなんだ(笑)」
「いやっ…どうなんでしょう」
ぽんぽん話す先生に
しどろもどろな受け答えしかできないあたし。
緊張して、手汗までかいていた。
運転席と助手席って
こんなに近かったかな?
「じゃ、車動かすね」
ゆっくりと、コース内を走り出した。