恋する魔女

Love Magic

パリの家に戻ると、ブライアンはソファの上でおとなしく座っていた。



「あ、ジュリア。やっと戻ってきた。お義母さんとは話せた?」


「えぇ。日本にいたから、日本に行って話してきたわ。」


「に、日本!?」


「えぇそうなの。桜が舞っていてそれはとても綺麗で、あ、そんなこと言ってる暇はなかったわ。」



母から聞いた重大な話をしなければならなかった。



「ブライアン、私の父が今実家に帰ってきているの。」


「え、君のお父さんが?」


「そう。私の父は魔法使い界の王様なの。それでママは魔女界の女王様なのね。」




そういうと、ブライアンは目を丸くさせた。




「それじゃぁジュリアは王女様?お姫様なの?」


「えぇ、そうよ。まぁそんなことはいいんだけど。」



「いいのか?」と疑問に思うブライアンを無視して、ジュリアは話しを進める。




「父はママほど人間を嫌ってはいないの。ただ、ママも言っていたけど、どんな反応をするか想像すると、あまり良くはないと思うわ。」




一難去ってまた一難。



ただ恋をしているだけなのに、ブライアンを愛しているだけなのにどうしてこんなに邪魔が入るのかしら。



ブライアンは、こんな恋愛嫌にならないかしら?



俯いて下を向いていると、ふわりと大好きな匂いに包まれた。




「ブライアン?」


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